どこの病院で働いていても教育を受けることができる“環境づくり”として、新潟県上越圏域にある14の病院や新潟県立看護大学の関係者らでつくる『看護部長会』では、採用1~2年目の看護師の研修を2023年から合同で実施しています。

病院はそれぞれ急性期医療や回復期など異なる機能を持っていますが、病院を跨いだ人材交流を行い地域で育成することで、看護師が境目なく活躍できる医療圏を目指しています。

【新潟県立中央病院 田中浩之 看護部長】
「看護師が外に出ていってしまう理由として、『この地域にいてはなかなか学ぶのは難しい』というのがあるので、そういうところが少しでも解消できるような取り組みは、引き続きやっていかなきゃいけない」

新潟県立中央病院(新潟県上越市)

また新潟県立中央病院では4月から、実習の看護学生との密なコミュニケーションで実習環境を向上させるために専任の看護師を置く取り組みも始めました。
実習をきっかけに中央病院への就職を決めたという富山県出身の上坂唯子さん(34歳)も、その任に当たっています。

【新潟県立中央病院 教育研修センター 上坂唯子さん】
「学生たちがもっとのびのびといろいろなことを学んでいけるようないい実習をしてもらって、結果的にはうちの病院に『就職したいな』と思ってもらえるのを目指している。自分自身が『ここの一員となって働きたい』と思って就職したので、これから来る学生さんたちにもそう思って仲間に入ってもらえると嬉しい」

9月に病院内で病棟を異動したばかりの荒井美結さんは、働いて5年目ながら「転職したくらいに環境が変わった」と言います。

「いろいろな仕事があるので大変なところはあるけど、患者が良くなっていく姿を近くで見ることができて、とてもやりがいを感じます」

患者に対し真摯に向き合うことに、変わりはありません。

日々、多岐にわたる業務をこなしながら患者の命と健康に向き合っている看護師。安心して働けて成長できる環境を新潟県内で整えていくことが、『地域の医療を守ること』にも繋がります。