日本に住む外国人は過去最多。日本で就職し長年の夢を叶えたポーランド人や、日本の伝統的な仕事を継承するフランス人も。なぜ日本に住み、どんな仕事をしているのか?そして、気になる給料は?徹底調査しました!

■海外の給料事情との違いは?

今、日本に住む外国人の人口は過去最多の367万人。なぜ日本に住み、どんな仕事をして生活しているのか徹底調査します。

働くうえで気になるのが「お給料」。2024年の日本の平均月給は約33万円と過去最高に。

では、海外の給料事情はどうなのか。まずは、外国人観光客に聞いてみました。

アメリカ・カリフォルニア州から来た、IT関係の仕事をしている男性。お給料は…

アメリカから来た男性
「(年間の)給料は7万9000ドルくらい」

年収は日本円で約1100万円。単純計算で月90万円超えと、日本の平均月給の3倍近くですが…

アメリカから来た男性
「(アメリカの)生活の値段はとても高い。めっちゃ大変です」

物価高が進むアメリカでは、一人暮らしでも家賃が40万円ほどかかり大変だそう。

ドイツから来た男性のお仕事は客室乗務員。月給は50万円以上あるといいます。

ドイツから来た男性
「日本の給料はかなり低いね」

さらに、働き方にも違いが…

ドイツから来た男性
「ドイツの有給休暇は年間30日が普通なんだ。日本は休暇が少ないんじゃないかな?たくさん働いて大変だね」

そんな中、日本で働く外国人は、なぜ日本を選んだのでしょうか。

■「日本の会社で働くのが夢だった」ポーランド出身女性の仕事とは

2024年に来日し、大学職員として働くフランス人女性。

フランス出身の女性
「私にとってすごく住みやすいです。店のサービスのクオリティがすごいし、交通とかも便利だし」

時刻表通りに来る電車と、おもてなしの心が大好き。

そんな女性の給料は月27万円。今、円安に悩まされているといいます。

フランス出身の女性
「奨学金を、もうユーロがないので全部円で返している。それはすごく痛いです」

しかし、節約生活を楽しく送っているそうで…

フランス出身の女性
「タイムセールを狙って夜9時とかに行こうと。600円だった刺身が300円くらいに。うれしいです」

日本で長年の夢を叶えたという人もいました。日本のアニメが大好きで、2024年に来日したポーランド人の女性。そのお仕事は…

ポーランド出身の女性
「アニメーターです。日本の会社で働くのが夢だったから」

日本でアニメーターとして就職。大好きな日本のアニメを作るという夢を叶えたのです。そんな女性の給料は約40万円。

ポーランド出身の女性
「アニメが好きだから、グッズを買うのが大変」

ポーランドより安いからとアニメグッズを買いすぎてしまうそうですが、日本での生活をとても楽しんでいるようです。

■日本の“治安の良さ”も魅力

一方、日本での就職を夢見るのは、5か月前に来日したスペイン人のマリナさん。現在、日本語を猛勉強中。

スペイン出身 マリナさん
「日本で仕事を探したいと思っているの」

マリナさんを夢中にさせる日本の魅力は何なのか。埼玉にあるご自宅にお邪魔しました。

1Kのお部屋は家賃5万6000円。スペインより家賃が安いのも魅力の一つだそうです。

夕飯に作ったスペイン風オムレツも…

スペイン出身 マリナさん
「スペインで作ったら800円以上かかるの。日本ではもっと安く作れるわ」

食品だって日本の方がお買い得。そして、最大の魅力は日本の治安の良さ。

スペイン出身 マリナさん
「日本では夜11時でも安心して外を歩くことができるの。スペインではそんなことできないわ」

夜までダンスフィットネスだって楽しめちゃいます。そんなマリナさんが将来、日本でやりたい仕事は…

スペイン出身 マリナさん
「声優の仕事を日本で見つけられたら最高だわ」

実はスペインで俳優や声優などをしていたマリナさん。そのスキルを日本でもいかしたいそうです。日本語の勉強、がんばってくださいね。

■本業がありながら…副業で「人力車の車夫」

そして、石川県金沢市には日本の伝統的な仕事をする外国人がいます。

フランス出身 ジョリスさん
「週1回、ここで人力車をやっています」

フランス人のジョリスさんは、今年7月から人力車の車夫として活躍しています。

フランス出身 ジョリスさん
「自分が好きな街を案内するのと、いろんな方とも話せるし楽しいですよ」

気になるお給料は…

フランス出身 ジョリスさん
「先月でいうと4~5万円くらいですかね」

5万円ほどの月給で生活は大丈夫なんでしょうか。

フランス出身 ジョリスさん
「本業があるんですけど、エンジニアの仕事をしています」

本業のエンジニアの収入は月40万円以上。そんな中、なぜ人力車の世界に?

フランス出身 ジョリスさん
「(人力車の車夫に)誘われた時に、日本にしかないようなことを体験できるっていうのが、縁じゃないかなと思って」

日本全国を旅していたジョリスさん。金沢の街並みや文化に惹かれ3年前に移住。今では行きつけのカフェもあるようで、地元の人たちとの交流も深まり、すっかり人気者に。

そんなジョリスさんを人力車の世界に誘ったのが、金沢壱力車の代表・林さん。

金沢壱力車 林陽治代表
「インバウンドの人もすごく増えてきているので、英語ができる人がいたらいいなと思っていたんですよ」

■日本の伝統をつなぐ 地元で愛される外国人

では、ジョリスさんの働きぶりを拝見しましょう。

早速、やってきたのは観光客の女性2人。

ジョリスさん
「金沢壱力車のジョリスと申します。ジョジョと呼んで下さい」

デビューからまだ1か月ほどですが、自己紹介をバッチリ決めてスタートです。

趣味のサッカーで鍛えた足腰を生かし、猛ダッシュ。さらに、行く手を阻む車止めの石も慎重に操作して見事クリア、しかもお客さんと話しながら。デビューまもないとは思えぬテクニックです。

川をバックに写真撮影も…

お客さん「うまいですね」
ジョリスさん「いいモデルさんですからね」
お客さん「口もうまいですね~」

肝心の名所案内。見えてきたのは、映画の撮影などにも使われる「梅ノ橋」。

ジョリスさん
「(撮影は)京都を舞台にするパターンが多いんですよ。なかなかこういう小さい橋で、木造の橋は少ないんですよ」

案内もばっちりです。

お客さん
「楽しかったです。すごいわかりやすくて」

ジョリスさん
「『楽しめた』っていうのが本当に私の中ですごく感動」

この日は、午前中だけで3組のお客さんを乗せ絶好調。

お腹も空いてきたところで、行きつけのお店でお昼ご飯。ボリュームたっぷりのワンプレートランチで、しっかりとエネルギーをチャージします。

すると、レジ横の壁で見つけたのは、ジョリスさんの活躍を報じる新聞記事。

ジョリスさん
「貼ってくれてうれしいことなんですよね。ちょっと恥ずかしながら」

お腹も心も満たされたところでお仕事を再開です。

しかし、午前中の勢いが嘘のようにお客さんはゼロ。営業終了までは残り10分ですが、すると、その時…

女性「きょう早く仕事終わったから。ジョリスの乗りたい」
ジョリスさん「本当?いいよ」

やってきたのはジョリスさんのお友達。仕事終わりにたまたま通りかかったんだそう。

地元のみんなから愛されるジョリスさん。やはり、持つべきものは友です。

ジョリスさんの友達
「こういう伝統的な仕事をやる若者が少なくなっているけど、それを海外の人が引き継いで、広めているのはめっちゃ素敵」

この日は、あわせて4組のお客さんを乗せ9500円の収入となりました。

そんなジョリスさんには、ある夢が。

ジョリスさん
「こちらが僕の土地です」

なんと金沢に140坪の土地を1000万円で購入していたんです。

ジョリスさん
「この街も気に入っているし、ここに家を建てて、のんびりした生活をしたいなと思っています」

みなさん、お金に代えられない幸せを感じながら、日本で働いていました。