秋雨前線の影響で、広島県大竹市では10日、1時間雨量79ミリの非常に激しい雨を観測した一方、西日本では残暑もしばらく続きそうです。私たちの生活だけでなくお盆や彼岸に欠かせない花にも影響を及ぼしています。その現状を取材しました。

末川徹 気象予報士
「10名ほどの従業員が働いていますが、聞こえてくるのは、機械が動く音だけです。キクの花が重さごとによって仕分けされていて、夕方まで続けられます。地道な作業ですが、重要な仕事です」

庄原市東城町にあるJAのキクの選花場です。秋の彼岸を前に通常週3日の出荷作業は、10日から毎日行わます。1本の茎に1輪が咲く輪菊を始め、3品目約2万本が大阪や広島の市場に届けられます。

ただ8月のお盆は、猛暑の影響が色濃く出ました。

JAひろしま 安川怜志さん
「高温で開花の遅れが出た。(菊自体が)身を守るため、花を咲かないようにした」

庄原市では7月下旬、この夏最高となる37.7℃を観測。ときに体温を超える猛烈な暑さとなりました。平年を上回る気温がほとんどの日で続き、その影響は深刻でした。

需要のピークであるお盆を過ぎた時、キクが一斉に開花し、市場にあふれました。

通常は1本70~80円の値がつくはずが、30円台にまで落ち込んだ品種もあったそうです。

JAひろしま 安川怜志さん
「暑すぎて日中の作業が難しくなっている。生産者では特にベテラン。(栽培)面積を減らす・生産量が落ちる影響もある」