(テツ子さん)「もう最初からここだから。もう60年、佐多のほうがいい」
田中精肉店はテツ子さんが23歳のころ、夫の慶勝さんと始めました。

(テツ子さん)「そのころは肉を食べるという習慣が、この辺りは魚のほうが多くて。一生懸命頑張ってきました」
Q.慶勝さんとは仲はよかった?
(テツ子さん)「よかったよ。おのろけを言おうかな」
しかし20年ほど前、慶勝さんはがんで他界。

(テツ子さん)「店があったから、落ち込む余裕はなかった。めそめそ言っていられなかった。(夫は)いい人でしたよ。ずっとついてきて幸せでした。そして好きな店も残してくれたから」
夫が残した店を守ろうと、近隣の物産館に総菜を卸したり、ふるさと納税の返礼品にしたりと、販路を拡大させながら、娘や孫たちと一緒に営業を続けています。

Q.テツ子さんはいつも元気?
(孫)「(祖母は)元気ですね」
(テツ子さん)「ばあちゃんが元気なうちは『ここがなくなったら嫌だよ』という人が、一人でもいる間は店に立とうと」

Q.夫・慶勝さんは何と言う?
(テツ子さん)「(夫は)『きばっちょいね』と言うのよ」
夫が残した本土最南端の精肉店。これからもテツ子さんの味で守り続けます。