平年並みはどうやって決める?

 続いて、平年値の決め方を大阪市の8月の日平均気温を例に紹介します。まず、1991年~2020年のそれぞれの年のデータと、平年値との差を比べます。大阪の8月の平年値は29.0℃です。たとえば、1991年ですと、29.0℃―28.1℃なので、0.9℃となります。次に、低い順に並べ変えます。

・1番目~10番目の範囲が「平年より低い」
・11番目~20番目の範囲が「平年並み」
・21番目~30番目の範囲が「平年より高い」とします。

 この例だと真ん中の10年分の-0.4℃~+0.4℃の黄色の範囲が平年並みです。その平年並みの左側青い範囲が低い、右側の赤い範囲が高いとなります。この基準をもとにして、例えば1か月予報では、向こう1か月の気温が平年並みか高いか、低いかを予報しています。つまり予想気温と平年値の差が平年並みの範囲内にあれば、“平年並みの気温”と発表されます。

 平年並みの範囲を決めておかないと、高いか低いかだけになってしまい、極端の例だと+0.1℃も+1.0℃も高い範囲になってしまうので、ある意味、平年並みの範囲という緩衝地帯を作って、そのような事態にならないよう区別できるようにしているわけです。

 その地域の平年並みがどの程度になるかを知りたい場合は、地方季節予報(1か月予報)の下の参考資料をクリックすると見られます。