警察官がたりの詐欺被害が後を絶ちません。広島市の女性が、およそ9000万円相当の暗号資産をだましとられました。

先月、広島市西区に住む60代の女性に、厚生労働省の職員を名乗る男から「あなたの健康保険証が使用され、違法に睡眠薬が処方されている。明日から健康保険証の利用を停止する。石川県警に出頭してください」と言った電話がありました。

女性が出頭を断わると、電話は石川県警や検察を名乗る男らに転送。男らからは「捕まえた犯人があなた名義の口座を50万円で買ったと言っている」「容疑を晴らすために持っているお金を監査する必要がある」などと言われました。

女性は指示されるまま「コインチェック」と「ビットフライヤー」の2つの暗号資産アプリをインストール。10回にわたって、女性の口座の全額、9016万円相当の暗号資産を送りました。

その後、メッセンジャーでやりとりしていた男と連絡がとれなくなったため石川県警に相談。「それは詐欺」と言われ被害が判明しました。

県内の特殊詐欺の被害総額は先月末までで12億円を超え、史上最悪のペースです。広島県警は、▼警察がSNSメッセージやビデオ通話で連絡しない▼警察が調査のためにお金の振り込みやアプリ操作を指示しないと注意を呼びかけています。