アメリカのトランプ大統領が首都に州兵を展開する異例の治安対策を続けています。地元住民の反対も聞き入れず、州兵の武装まで始めました。トランプ氏は何を狙っているのでしょうか?
アメリカの首都ワシントン。25日、地下鉄の駅で、迷彩服を着てライフル銃を持った「州兵」が警備にあたっていました。極めて異例の光景です。
アメリカ トランプ大統領
「ワシントンはこの国で最も危険な場所だったが、おそらく今は最も安全な場所に変わった」
トランプ氏は街が安全になったとアピールしました。
およそ2週間前、トランプ政権はおよそ800人の州兵を派遣。その後、6つの州から応援の州兵も投入され、現在は2200人を超える規模まで拡大。24日からは武器の携行まで始めました。
アメリカ トランプ大統領
「私たちの首都は、暴力的なギャングや血に飢えた犯罪者、荒っぽい若者の集団、麻薬中毒の狂人、そしてホームレスに占拠されている」
ただ、警察の統計では去年の凶悪犯罪の件数は過去30年間で最低水準です。
住民
「特に今年の夏は犯罪が少ないです」
「私たち住民は(州兵を)圧力と感じて不満が高まるだけです」
「ワシントン・ポスト」などの世論調査では、トランプ政権の措置に地元住民の8割が反対しています。州兵が展開されている現場では…
記者
「観光名所のワシントン・モニュメントです。この近くでも州兵の人たちが、迷彩服姿で警戒にあたっています」
パトロールにあたる州兵たちですが、観光客との記念撮影に応じ、その後しばらく話し込むなど、特に警備を強化すべきところはなさそうな様子です。
専門家は、トランプ氏の本当の狙いは治安対策ではなく、民主党支持者が多い首都ワシントンで自らの権力を誇示し、「トランプ化」を進めることだと分析しています。
ジョージ・ワシントン大学 マシュー・ダレク教授
「トランプ大統領は、『リベラルの腐敗の温床』と呼ぶ首都ワシントンに厳しい態度を示す絶好の機会だと考えているのです」
複数のアメリカメディアは、トランプ氏がワシントンの「乗っ取り」を進めているという表現で報道しています。象徴的なのはホワイトハウスの変化です。執務室を金色に飾り付けたほか、庭には巨大な星条旗も立て、派手好みなトランプ氏仕様となりました。
ジョージ・ワシントン大学 マシュー・ダレク教授
「トランプ氏は個人的な印をワシントンに刻み付けているのです」
トランプ政権はあと3年半ほど続く見通しですが、ワシントンはどこまで「トランプ色」に変化していくのでしょうか。
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