「史実をきちんと後世に伝えたい」元中学校教諭の学芸員

戦後80年の今年、黎明館で開かれた企画展です。横山正治中尉に関する資料が初めて公開されました。

(県歴史・美術センター黎明館 坂口洋幸学芸員)「鹿児島の人物が真珠湾の攻撃に関わっていたことを県民にも知ってもらいたくて展示した」

開戦時は軍神とたたえられたものの戦後は一転、批判的な意見もあったと言われ、時代によって評価が変化していった横山中尉。

元中学校教諭で学芸員の坂口洋幸さんは、「史実をきちんと後世に伝えたい」と、先月、横山中尉の母校・甲南高校を訪れました。

(県歴史・美術センター黎明館 坂口洋幸学芸員)「歴史認識をそのまま子どもたちに伝えてしまうと、先生の影響はすごく大きい。いろんな考えや見方を持ってもらいたい」

講話では史料を使いながら、先輩が、あの戦争で命を落した事実を伝えました。

(講話の様子)
「海軍兵学校に進むのはエリート中のエリート。難関大学に進むようなイメージ」「戦時下の史料は平和の大切さを、私たちに問いかけてくれる。戦争がどうやって起きて、平和の維持に何が必要か考えるきっかけにしてほしい」

(高校3年生)「昔は軍神と、すごくあがめられていたが、思えば普通に学校に通っていた学生だったんだ」

(高校2年生)「もし横山さんが今の時代に生きていたら、どんな生活をするのか考えたときに、私たちにとって当たり前の日常でも、あの時代の人にとって当たり前ではないと、私達は戦後80年の今だからこそいろんな人に伝える立場にあると感じた」

80年以上前、真珠湾で戦死したふるさとの先人。時を経ても不変の史実が次の世代に受け継がれていきます。