伝田豊美さん:「長野空襲を語り継ぐことがどういう意味をもっているのか。80年続いた平和をどうやって次の世代にバトンタッチしていくのか」
「長野空襲を語る集い」を長年運営してきた元教員の伝田豊美さん。

多くの証言を残したいと体験者に声をかけ続け、初めて公の場で話したという登壇者も少なくありません。
初めて証言した小野塚健夫さん:「戦争は勝者も敗者もない。どちらも犠牲者ばかり悲しむ人をつくる行いだ」

40回目を迎えた今年の集いでは初めての試みとして空襲の概要を映像で紹介しました。
動画を用意したのは長野市出身の会社員・若林準也さん。中学生だった10年前に集会に参加。今は主催者として運営を支え、展示用の資料も工夫しました。

若林準也さん:「当時の写真と今の写真を比較させて、昔あった戦争をリアルによみがえらせるというのをポイントとしてやっています」
若林さんは今年、長野市の裾花中学校で空襲について講演。中学生たちは被害にあった地域を訪ねて体験者から話を聞き、13日はその感想を発表しました。

中学生:「普段何気なく暮らしているこの長野の地でこのようなことがあり人がなくなっていることを知らなかったのでとても驚きました」
中学生:「僕はこのような悲しく怖い出来事はこの先二度とあってはならないと思いました」
若林準也さん:「長野市に住んでいても身近じゃない長野空襲を彼らは知って、行動に移してくれた。それはすごくうれしく思ってます」
空襲の体験者と市民をつなぎ記憶を共有してきた「語る集い」。
主催者の伝田さんは集いを継続し、さらに小中学校で長野空襲について知る機会が増えるよう取り組みたいとしています。

伝田豊美さん:「直接戦争の体験はないけれど、次世代につないでいく。リレーでいえばバトンのランナーにならなくては。一つのこの世代の使命じゃないか」