高齢化が進み組織の存続を危惧する金沢市遺族連合会。

この遺族連合会の中には戦没者の遺児で作る「金沢市遺族友の会」があります。

遺族連合会の副会長で友の会の会長でもある柴田さんはその友の会を8月、解散させることを決めました。

柴田さんは「友の会の会員も高齢ですのでなかなか外に出るのがおっくうになっている。解散後の今後の活動は遺族会の中で語り部の活動や慰霊活動は続けていきたい」と話します。

高齢化で組織が縮小する中、新たな動きも見られました。

8月8日、石川護國神社で開かれた会合。

金沢市遺族連合会に青年部、それに遺族連合会を支える企業会が初めて顔を合わせました。

第1回 終戦80年記念大会実行委員会

今年11月に予定されている「終戦80年記念大会」について話し合うためです。

金沢市遺族連合会の会長、小林茂隆さんは、「遺族会も若い人に入ってもらって、今回は一緒にやって、次の時から次の世代の人に渡していきたい」とあいさつし、80周年記念大会実行委員会の委員長、福田長太郎さんは「やる以上は楽しく成功に導いていきたいなと思います」と意気込みを語りました。

次の世代に思いをいかに伝えていくか。

小林会長は周年企画を通して思いを共有していきたいと考えています。

小林さんは、「先日、高校生が話を聞きたいということで来ました。そういう人たちも含めて戦没者の直系でない人も遺族会に入ってもらえるかなと期待もしている。少しづつ、少しづつ道が開けてきたかなという気がします」と話してくれました。

県戦没者慰霊式。

高校生などの若い世代が献花する姿もありました。

高校生などの若い世代が献花する姿も

曽祖父が戦死した北陸学院高校3年の本村悠衣さんは「私の祖母やその世代の人から話をたくさん聞いたり、今残っている資料をたくさん見たりして、次の世代に繋げていくことできるかなと思う」と高齢化する遺族会の思いをつないでいきたいと話します。

戦争の記憶を若い世代に継承するためにはここ数年が最も大切な時期と語る遺族会のメンバー。

平和への思いは戦争を体験していない世代にも少しづつ、しかし、着実に引き継がれようとしています。