2025オールスターナイト陸上(実業団・学生対抗)が8月9日、神奈川県レモンガススタジアム平塚で行われた。男子100mは栁田大輝(22、東洋大4年)が10秒11(追い風0.5m)で、男子走幅跳は橋岡優輝(26、富士通)が8m08(追い風2.6mで参考記録)で優勝した。世界陸上と五輪で入賞経験がある橋岡と、23年ブダペスト世界陸上で準決勝に進んだ栁田。2人とも7月の日本選手権で失敗し、東京2025世界陸上代表争いで微妙な立場に置かれているが、この日は2位との差で力があるところを示した。2人は今後、どのような戦績を残せば代表入りができるのだろうか。
橋岡は1週間後の標準記録突破につながる助走
3回目の跳躍だった。今季は砂場に着地した後に首を振ることが多かった橋岡が、拳を握りしめた。記録は8m08。追い風参考記録になったが、日本選手権の4〜8位選手が揃った中、2位に39cm差をつける圧勝だった。
しかし4回目に7m89(追い風1.5m)を跳んだ後の5、6回目はパスをした。
「脚が攣(つ)りそうなくらい、(湿度が高く)変な空気だと感じたからです。3、4本目である程度、来週につながる良い助走はできたので、無理をするより見送る方がいいと判断しました」
“来週”とはAthlete Night Games in FUKUI(走幅跳は8月15日)のことで、そこで世界陸上参加標準記録(8m27)突破に挑戦する。福井の9.98スタジアムは橋岡にとって、自己記録の8m36を跳んだ相性の良い競技場だ。
この種目は標準記録突破者がゼロで、日本選手権終了時の内定者は出なかった。現時点では日本選手権入賞者で、Road to Tokyo 2025(標準記録突破者と世界ランキング上位者を1国3人でカウントした世界陸連作成のリスト)の世界ランキングで出場枠の36位以内に入っている山浦渓人(24、勝浦ゴルフ倶楽部。日本選手権優勝)、橋岡(同4位)、津波響樹(27、大塚製薬。同5位)の3人が代表争いでリードしている。
しかし今後、日本選手権2位の伊藤陸(24、スズキ)と、同3位の藤原孝輝(23、東洋大大学院)が世界ランキングで出場圏内に入ってきた場合、代表は山浦、伊藤、藤原となる。しかし橋岡がAthlete Night Games in FUKUIで標準記録を跳べば、日本選手権の上位3人全員が標準記録を跳ばない限り、代表入りが決まる。