「線状降水帯」はなぜ連続して発生? 前線が動けない理由

吉村キャスター:
そんな中で、「線状降水帯」はなぜ連続して発生したのでしょうか。

【線状降水帯発生の状況】
8月8日:鹿児島
8月9日:福岡
8月10日:福岡・山口・大分・熊本
8月11日:長崎・熊本

8日以降、毎日どこかで線状降水帯が発生しているという状況が続いています。河津気象予報士によると、「前線が停滞していることが原因ではないか」ということでした。

河津 気象予報士:
やはり気圧配置が変わらないと、同じような場所で雨が降り続けてしまうので、トータルの雨量が多くなって災害が起こってしまうということです。

吉村キャスター:
前線の停滞というのを天気図を使って解説していきます。

今、日本列島に雨を降らせている前線を挟むように、南側に「高気圧」、北には「寒冷渦」があります。この2つに挟まれているので、前線が動けず停滞している。そこに、南からの湿った空気が流れ込み、九州に大雨を降らせているという状況です。

河津 気象予報士:
太平洋高気圧の周りを流れる湿った空気と、さらに西からも湿った空気が入ってくると、風がぶつかり合い、そこで雨雲が発達します。それがちょうど九州の辺りになってしまったということです。

吉村キャスター:
前線は挟まれて停滞はしていますが、少しは動くので、福岡や鹿児島でも線状降水帯が発生しているということです。

では、なぜこのように前線が停滞しているのか解説をお願いします。

河津 気象予報士:
真夏の空気に覆われていたのが一旦退いてきたところに、北からの冷たい空気がしばらく停滞してしまったところがポイントかなと思います。それで、前線が停滞してしまったということですね。

井上貴博キャスター:
よく「梅雨末期に近い」と話していましたが、この時期にこの構図というのは、例年はあまりないんですか?

河津 気象予報士:
お盆の時期ですと、やはり高気圧の方がずっと優勢なので晴れることが多いです。しかし、梅雨末期のような状態になってしまったということですね。

出水麻衣キャスター:
こういった事態で被害が本当にたくさん出てしまっていますが、私達としては、普段からどういう備えをすればいいのか。また、このような情報が出たときにどのように行動すればいいのでしょうか?

河津 気象予報士:
やはり自治体の情報をしっかり確認することが重要です。

熊本県の中でも、大雨になっているところと、大雨ではないところがあり、テレビの天気予報だけだとざっくりとした情報になってしまうことも正直あると思います。そこは自分で情報を取得するという行動も必要になってくると思います。