8月1日、廿日市市であった「お米サミット」で、地元JAの青壮年連盟が開いたもので広島県内各地のコメ農家が直接、消費者にコメ作りの現状を話しました。

農事組合法人よしわ 増田泰和代表(廿日市市吉和)
「やれば赤字になる。いつやめようかみたいな。昨年やっと、ちょっとおコメが足りないってことで、価格が上がったので、何とか維持できるかな」

消費者の関心はやはり価格です。
「おコメの適正価格いくらなの?」
「消費者の人が知りたいのは、そこなんですよね」
会場からはこの質問が相次ぎました。

藤本農園 藤本聡代表(庄原市東城町)
「今、出している昨年のお米5kgがだいたい3500円です。税込みで3500円、ただ送料別」

藤本聡さんはアイガモ農法などによる産直米を広島や大阪の消費者に販売しています。5キロ3500円は減農薬・特別栽培米の価格です。

藤本農園 藤本聡代表
「うちとしてはそれぐらいの金額が最低限ないと、売り上げがすごくガツっと(落ちる)」

三次市三良坂町の藤原博己さん…90ヘクタールでコメを作る県内屈指の生産者です。藤原さんが考える適正価格はくしくもJAの概算金と同じ金額でした。

ライスファーム藤原 藤原博己代表
「私は今1万3千円で考えています。30kg、これでも安いんだと思います。農機具代、機械代もありますし、肥料・農薬、これも倍になっています」

藤原さんは今強い危機感を持っています。90ヘクタールの田んぼのほとんどは高齢化が進み、作り手のいなくなった田んぼを預かったもの。しかし、それももう手一杯だからです。

ライスファーム藤原 藤原博己代表
「5年10年先(中抜き)やめる方がどんどん増えてくる。そういった方々が今後、リタイアされた土地をじゃあ誰が作るのか。これならやっていけるよっていう価格設定をやはり今回しておかないといけないと思うんですよね」

質問した男性は「これまでコメの値段にモヤモヤしていたが農家の考えが聞けてよかった」と話していました。農家の考えに寄り添った形となった今回のJAの概算金。一方で、店頭価格が5kg4千円台も想定される中、消費者の理解は得られるのか?消費者へのしっかりとした説明が求められます。

「お米サミット」の主催者が行ったアンケートによると参加者が考える適正価格は5kg税込み3500円が最も多く次は3000円。4000円という人も7人いたということです。農家が直接、消費者に話をすることは大事なのかもしれません。