珍しいパターン 「立身出世」の落語

古今亭志ん雀さん「落語はどちらかというと怠けちゃう、ダメな人が出てきて、お客様がそれを聞いて、そういうところはあるよねという、飲んじゃいけないのに飲んじゃうし、仕事しなきゃいけないのに怠けちゃうし、俺にもそういうとこはあるよなというので笑っていただく話が多いので、こういう一生懸命に頑張って出世をする人の話というのは大変珍しい」

実際に阿武松が驚くほどの大食いだったかは定かではなく、落語ではかなり脚色されているという向きがあるのですが、実在する人物があるジャンルのひとつの作品として昇華されているのは、錦絵の場合と同様と言っていいのかもしれません。

古今亭志ん雀さん「誰かがああいうストーリーにして高座にかけたという、不思議なご縁だと思いますよね」