「原爆投下は正当だったのか」アメリカの調査では…

高柳キャスター:
広島をはじめ日本国内には、いろんな気持ちを持った人がたくさんいます。一方で、アメリカは、原爆80年についてどう考えているのか。

2025年6月にアメリカの調査機関が「広島・長崎への原爆投下は正当だったのか」調査を行っています。

【広島・長崎への原爆投下は正当だった?】
アメリカの成人が対象
米「ピュー・リサーチ・センター」より

正当だった:35%
正当でなかった:31%
わからない:33%

ただ、年代別に見ていきますと少し違いが見えてきます。

【65歳以上】
正当だった:48%
正当でなかった:20%

【18~29歳】
正当だった:27%
正当でなかった:44%

若い世代では、「正当でなかった」という評価をしている割合が大きいです。

文芸評論家 三宅香帆さん:
「正当だった」と答える人が35%と、日本人から見ると多いと感じてしまいますが、若い世代の意見が変わってきているので、「正当でなかった」と答える全体の割合はどんどん上がってきています。

「核兵器を使った」という歴史は変えられませんが、今の人たちの解釈は変えられる、というのはすごく思いました。

メディアが発信したり、被爆者の方々が発信してくださるおかげで、意見はどんどん変わるということを私達も認識して、「日本の中でも若い世代にどうやって伝えていくのか」、「平和というのは、どうしたら今後も続いていけるのか」ということ、本当に戦争が起きている中で、「核兵器を使わない判断をし続けるにはどうすればいいのか」というのを、自分の発信によって変わるということを思いながら、発信を続けていくことが大事だと思いました。

井上貴博キャスター:
「諦めてはいけない」という点でいうと、6日朝の広島県の湯崎知事と広島市の松井市長の挨拶は、非常に心を動かされるものでした。

「核を持って力の均衡による安全保障」というのはあまりにも危うい。湯崎知事は「自信過剰な指導者の出現、突出したエゴ、高揚した民衆の圧力、あるいは誤解や錯誤により、抑止は破られてきた」と話していて、自分の中でも大切にしたい言葉だと。やはり、発信で変わるというのを諦めてはいけないと思いました。

文芸評論家 三宅香帆さん:
本当に誤解したり、いろんなことをねじ曲げて考えるのは、人間によくあることだと思います。それをいかに「それは違う」ということを言い続けるか、だと思います。

出水麻衣キャスター:
石破総理の挨拶もありましたが、被爆者の方の平均年齢は86歳になっています。今やはり、話を聞いて誤解がないように、彼らの言葉をきちんと解釈して、次の世代に語り継いでいくということが大事だと改めて思いました。