車とスマホは似ている
松永さんはシンポジウムの中で「車とスマホは似ている」と話しました。
車の運転が「鉄の塊」に守られて気が大きくなるとしたら、SNSでの誹謗中傷は「スマホ画面」に守られて、その先に生身の人間がいることを忘れてしまうのです。
「投稿前に内容を消した」ことはありますか?
シンポジウムでは、参加者にSNSでの経験について質問する場面もありました。
「SNSで投稿ボタンを押す前に一度内容を全部消したことがあるか」という問いには、70人の参加者のうちほぼ全員が「ある」と答えました。

政府広報オンラインのホームページでは「SNSでカッとなっても、勢いですぐに送信せず一度時間を置いて投稿を見直すこと」「ネットから離れ、誰かと話して気分転換をすること」が推奨されています。
シンポジウムのあと、松永さんは改めてインタビューに答えました。
そこで強調したのは「スマホの向こうにいる“命”の存在」です。
松永さん「SNSは楽しいし、仲間と繋がれる素敵な場所です。でも自分のたった1クリックで人を傷つけ、最悪、命を奪うかもしれない場でもあります。自分を大切にすること、同じように命を持った他人を大切にすることが大事です。それが巡り巡って自分にも帰ってくる。そう考えてSNSを楽しんでほしいと思います」
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