事件の遺族には―――『1人でトイレに行かせた親が悪い』
2011年に熊本市で起きた事件で当時3歳だった娘の心(ここ)ちゃんを亡くした清水誠一郎さんも、SNSでの二次被害に苦しんだ一人です。

清水誠一郎さん「事件直後は記憶がなくて。SNSの書き込みを全く知りませんでした。あるとき家族がそれを見て、こんなものが書いてあると」
『なんで生きてるんだ』
『お前が死んでしまえ』
『3歳の子どもを1人でトイレに行かせた親が悪い』
書き込みを見て「悪いのは犯人ではなく、自分なのだろうか」と追い打ちをかけられた清水さんや家族は、家から出られなくなったと言います。
清水さん「当然、子ども達も外に出せませんでした。また命を取られるんじゃないか、責められるんじゃないか、『子どもが死んだのに、あの家族、笑ってるよ』とSNSに流されるんじゃないか。自分はどれだけ言われても大丈夫ですが、家族が責められるのが怖くて」
苦しみの中でも、前を向いて進むしかない。
事件から13年経った今、清水さんは心ちゃんの月命日に寺へ通い、各地で講演活動を続けています。
清水さん「家族は死なせられない。だから、神様になった娘の場所へ少しでも近づきたいんです」
清水さん「松永さんが屋上で聞いたという『死なないで』という思い、これが背中を押します。同じ思いをする人、犯罪を犯す人を作りたくない」