議論が大詰めを迎えている最低賃金の引き上げについて。関東の最低賃金は、群馬県と東京都では180円ほど開きがある状況です。こうした地域差から、県境を越えてバイトに行く人たちもいます。その実態を取材しました。

通勤時間30分・交通費支給なし 越境する理由に「時給の高さ」

千葉県柏市の焼肉店は、火曜日でも店内は多くの客で大賑わい。そんな大忙しの店を支えているのが、アルバイトです。

そのうちの1人、三谷祐輝(みたに・ゆうき)さん。実は…

アルバイト 三谷祐輝さん
「茨城県北相馬郡利根町というところ」

住んでいるのは、千葉県ではなく茨城県。いったいなぜ、隣の県で働いているのでしょうか。

三谷さん
「自分の地元(茨城県)より、時給が高いのと、楽しそうな街だから。(時給)100円以上は差が開いちゃう」

三谷さんの時給は1160円で、週5日ほど働いています。

地元・茨城から電車で5駅。通勤には30分ほどかかり、交通費の支給もありませんが、それでも地元・茨城で働くよりも、千葉にあるこの店で働く方がメリットが大きいと言います。

三谷さん
「ご飯とかに行っても、値上げしているメニューとかもいっぱい。コンビニとかも結構値上げされていて」

Q県をまたぐのは大変では?
三谷さん
「それでもやっぱり時給高いほうがいい。少ないと生活も厳しい」

都道府県によって異なる最低賃金。店がある千葉県(1076円)と、隣り合う茨城県(1005円)とでは、最低賃金に71円の差があります。

三谷さんのように少しでも高い時給を求め、越境してバイトする人は少なくありません。

茨城から千葉でバイト
「時給を見て県外でバイトしています。物価高もあるし、大学の友達との付き合いでご飯に行ったり、遊びに行ったりもある」

茨城から東京でバイト経験あり
「茨城と都内では、大分時給が違うので。交通費がかかったとしても、元が取れるぐらい時給がある。給料がもらえるので有り」