2029年度までに1500円目指す 「息切れする店や会社がかなり出てくる」
こうした中、2025年度の最低賃金の目安を決める議論が大詰めを迎えています。

2024年度の最低賃金(全国平均の時給)は、全国平均で「1055円」。政府はこれを、2029年度までに「1500円」にすることを目標にしていて、この達成には、残り5回の改定で約7.3%ずつ引き上げる必要があります。
労働者側はひとまず、すべての都道府県で1000円超えを目標にしていますが、6時間にわたる議論でも、目安額の取りまとめには至りませんでした。改めて31日に、取りまとめを目指す予定です。
最低賃金は、今回の議論を経て示された目安をもとに、各都道府県で協議し決定します。ただ地域によって最低賃金に差が出てくることから、“越境バイト”のように人材が他の都道府県に流出するなどの課題があります。
全国平均よりも最低賃金が低い自治体の労連からは、「全国一律の最低賃金にしてほしい」といった声も上がっています。

青森県労連 小倉功事務局長
「全国一律の最低賃金にしてほしい。47都道府県、47の最低賃金は必要ない」
そうした中、2024年に最低賃金を大幅に引き上げたのが徳島県です。
徳島県 後藤田正純 知事(2024年8月の「徳島県チャンネルより」)
「我が県は、平均より劣ることはあってはならない。平均以下であれば労働力は流出する。人材が確保できない。こういう観点から全国加重平均に近い形で最低賃金が妥結することをお願いしたい」
最低賃金を84円引き上げ、「徳島ショック」とも呼ばれました。
徳島市にあるヨーグルトの製造と販売を行う、タンタンヨーグルト工房。

タンタンヨーグルト工房 大上順市代表
「現在は1100円で募集しています。(2025年3月)一気に100円上げた。近隣の動向を見て」
人件費が上がれば、どこかが割を食います。この店の場合、「設備投資を削るしかない」といいますが、その分、新商品の開発が遅れてしまうそうです。
大上代表
「小規模事業者だと、息切れする店や会社がかなり出てくる。賃上げには賛成だけど、上げるスピードを緩やかにしてほしい」