「発覚した場合、組織として立ちゆかなくなる」被告が送った“口止め”の書面

立場の違いを利用した性加害は検察庁でも…

大阪地検 検事 ひかりさん(仮名)2024年10月 
「被害を受けてから約6年間、本当にずっと苦しんできましたので…」

大阪地検に勤める検事のひかりさん(仮名)。

2018年、大阪地検のトップ・検事正だった北川健太郎被告(65)から、懇親会に出席したあと、酒に酔って抵抗できない状態で性的暴行を受けたと訴えた。

検察組織への影響と、自分へのバッシングを恐れ、被害を申告するまで、6年の月日を要したという。

大阪地検 検事 ひかりさん(仮名)
「全ての私の権限を、彼(北川被告)が握ってたんです。私の人事も、どういう仕事に就かせてもらえるかも、私がやっている事件を起訴するかどうかも、最終的な権限は彼にあった。

彼は、大阪・関西では本当に有名な、皆から尊敬されていた人だったんで、自分が被害申告するということは、検事を辞めないといけないと思っていたので」

“関西検察のエース”と評され、絶大な力をもっていた北川被告。

事件後に送られてきた、いわば“口止め”の書面も、ひかりさんの申告を強く思い留まらせた。

北川被告から送られてきた書面
「今回の事件が公になった場合、私は絶対に生きてゆくことはできず自死するほかないと考えている」
「大阪地検の検事正による大スキャンダルであり、発覚した場合、組織として立ちゆかなくなります」