厳しい暑さと雨が少ない影響で農業用水を供給する宮城県大崎市の鳴子ダムは29日未明、貯水率が0%になりました。
東北地方整備局では本来、使う予定のない最低水位以下の水も放流する対応を取っています。
大友惇之介記者
「大崎市の鳴子ダムです。ダムの内側は岩肌が見え、すでに最低水位になってしまっています」

大崎市鳴子温泉にある鳴子ダムは、29日午前3時に貯水率が最低水位の0%になりました。

ダムにはまだ水がありますが…これはダム建設からの100年間で底に溜まる砂や泥の量を予測しその高さを最低水位としているため、本来使う予定のない水が溜っているのです。
最低水位となった原因は猛暑と降水量不足です。

ダム上流に設置されている雨量計では例年、7月の平均の雨量が289ミリなのに対し、28日までで30.7mmと深刻な雨不足となっています。
東北地方整備局鳴子ダム管理所 小嶋光博所長
「下流の皆さんには節水をお願いしているがこのまま続くと雨が降らなければ2週間強で水が尽きてしまうことになる。あまり見たくない姿。早く雨が降って状況が回復することを願っている」

鳴子ダムの貯水率が0%になったのは過去に4度あり今回は1994年以来、31年ぶりです。

農作物などへの影響が懸念されることから、東北地方整備局は鳴子ダムの放流量を毎秒8㎥から6㎥に減らし、本来は使用しない最低水位以下の水も放流しています。

また、鳴子ダムとともに江合川(えあいがわ)に水を放流している岩堂沢(がんどうさわ)ダムは貯水率にまだ余裕があることから、放流量を増やし不足分を補うということです。
