金投資はアリ?ナシ?

では、【金と株を組み合わせて保有】したらどうなるのか、過去のデータを元に井出さんが試算。

1993年末に、金とS&P500に計100万円投資。それぞれの配分%は、毎年12月末にリバランスし、2025年まで持っていたとすると…

▼【金:0%】【S&P500:100%】100万円⇒3123万円
▼【金:25%】【S&P500:75%】100万円⇒2723万円
▼【金:50%】【S&P500:50%】100万円⇒2150万円

ニッセイ基礎研究所 井出真吾さん:
「金をたくさん持てば持つほど最終的な資産額は少なくなるが、リーマンショックの時の下落率をみると、S&P500だけ保有の場合は58%下落し、半値以下になってしまう。一方、金50%保有の場合は36%下落と、【金を多く保有するほど資産の目減り方は緩やか】。ここに金の魅力を見出すかどうか」

ということで、【金の投資】はアリ?ナシ?

井出さん:
「値上がり期待というよりも“有事の金”“下支え”として、例えば金をポートフォリオに5~10%ぐらい入れておくのはアリだと思う。ただ、私は買わない。リーマンショックみたいな急落もどうせまた戻ると常に思っているので有事の金に価値をあまり感じない。ただ【急落が怖いという人はアリ】かなと。あとは今ぐらいのリターンが続くと見込むのであれば、リターン狙いの金投資もなくはないと思う」

7月の格言「天まで届く相場はない」

ニッセイ基礎研究所 井出真吾さん:
「上がり続ける相場はないよという意味だが、金もそうだし株も同じ。関税15%決着で日経平均も一時4万2000円つけて、この先EUや中国の合意ドミノなんかが実現すれば史上最高値更新もあるかもしれない。一方で15%の関税は企業収益には明らかにマイナス。そう考えると、今の時点で4万2000円をキープするのは難しい。企業の努力工夫などで悪影響を和らげることができれば4万2000円も見えてくるが、現時点では4万円ぐらいの実力かなと」