「党再生の道筋をつくることができるのは石破総裁だけ」
上村彩子キャスター:
4時間半にも及んだ今回の懇談会ですが、「辞任するべき」という意見が多かったようですね。
佐藤正久 前参院議員:
圧倒的に多かったです。総理が続投宣言をした後、「続投を支持」と明確に言った議員は10人にも満たない。どちらかというと、鳥取県出身の人や石破総理の側近の方だけで、多くの方々は「党再生のためには、トップはけじめをつけるべきだ」という意見が大勢でした。

藤森祥平キャスター:
たまりにたまった不満のガスが噴き出た感じもしますが、佐藤さんはどのような発言をされましたか。

佐藤正久 前参院議員:
私は真剣に選挙をやった当事者として、選挙でどういう声をいただいたかという実感。そして、党再生に向けては「トップと議員との信頼関係がここまでこじれている以上は、けじめをつけて党再生の道筋をつくることができるのは石破総裁だけだ」と発言しました。こういう状況が長く続くっていうのは、決して自民党にとっても日本にとってもよくないと思います。
藤森祥平キャスター:
佐藤さんご自身は、石破総裁の元自民党幹事長代理という立場でしたが、それでも大敗の責任は石破総理ということなんですね。
佐藤正久 前参院議員:
自民党と候補者本人に一番責任があります。しかし、今までの選挙と比べこれだけ評判が悪い自民党に加え、総裁についての批判というのも少なからずあったと実感しています。
特に中盤から後半にかけては、石破さんに対する批判が自民党支持者、特に女性の中で増えてきた。石破総理の顔を見ると、テレビのチャンネルを変えるという女性が、途中から各所で増えてきた。そういった声も実際に聞いているので、党再生を考えたときに、問題の一つである総裁が長くいればいるほど、改革には繋がりませんし、支持も低くなるということから、党全体を考えてもトップの総裁は個人の責務を踏まえて決断してほしいと思います。
藤森祥平キャスター:
懇談会が終わり、石破総理は改めて続投表明しました。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
石破総理からすると、この懇談会で最初の関門は乗り越えたという意識でしょう。というのも、“石破おろし”は思ったほど盛り上がらなかったというのが現実です。その理由は2つあると思います。
一つは、メディア各社の世論調査によると「自民党敗北の原因は石破総理だけではなく、自民党全体」だと考える人が多かった。もう一つは、裏金に関与した議員も公然と石破批判をしていることに対し、しらけた部分が自民党内にも広がり“石破おろし”が一気呵成に盛り上がる状況ではなかったと思います。
藤森祥平キャスター:
どうも世論が「石破総理をやめさせるべきではない」という方向に行ってる可能性もありそうですが。

佐藤正久 前参院議員:
そこまではまだいってないと思います。しかし、「石破総理を辞めさせるべきではない」という人がどういった人なのかを調べないといけないと思います。
「石破を辞めさせるべきではない」と述べるデモの参加者の中にも、自民党支持者ではない方も相当いると思います。我々は、有権者とくに自民党支持者や党員に向き合う必要があるので、党員の意見というのを踏まえると、責任を取らずに前に進むというのは、かなり難しい状況だと思います。
星浩さん:
佐藤さんは自衛隊のご出身で、どちらかというと自民党のコア支持者だったと思いますが、そこが今回、参政党などに奪われた理由はどのように分析されてますか。

佐藤正久 前参院議員:
「自民党が保守ではなくなった」という思いが相当強かったと思います。今回は保守層が参政党に、若者層が国民民主に行ったという雰囲気があった。 特に保守層の中では「自民党政権はリベラルだ」と。“石破おろし”を駄目だと言ってる人たちも、どちらかというと自民党支持者ではないリベラル系の人が多い。
加えて、石破政権は中国に媚びており、日本人よりも外国に優しい政権というイメージを持ってる方が相当多かった。私に対しても、「自民党でなかったら佐藤さんを応援したけど、今回だけは自民党は駄目だ」という声も直接言われました。