党内で“石破おろし”の一方で…国民は今の政治に何を求めている?
上村彩子キャスター:
自民党内では“石破おろし”が続いていますが、街の人はどのように思っているんでしょうか?今の政治に何を求めているのか聞いてきました。

60代男性
「今回の選挙の一番の中心は、生活・経済状況だったと思うんですね。給料が上がるような手立てを、政策的に誘導してほしいと思いますね」
18歳女性
「ご飯とか『食』は誰に対しても必要なものなので、税金は下げてもいいのかなと思います」
70代男性
「国民民主党のように所得を上げる。参政党のように、外国人問題にある程度手をつけないと。このままではもう混乱するだけ、その意思表示があったので」

50代女性
「『石破さんの全責任だ』みたいな体制で、辞めさせる動きがみえていて。『そうではなくて、元々の問題じゃない?』みたいな」
上村彩子キャスター:
「“石破おろし”よりも、自分たちの生活をどうにかしてほしい」という声も聞かれました。
国民は裏金問題や旧統一教会のことも忘れていません。その上で、選挙の敗因の一つに、物価高対策などの政策面のこともあると思いますが、いかがでしょうか?

佐藤正久 前参院議員:
全くご指摘の通りで、今回は「自分の給料アップが物価高と比べると追いついていない」という不満が、相当程度あったというのは間違いない。その手段として、給付か減税か、あるいは社会保険料を下げるのか。この選択について、自民党が国民の感覚とずれていたというのが、敗因の一番大きな原因だと思います。
ただその上で、自民党のこれからのためにも党改革というのは絶対に必要だと思います。何かあったら守ってくれるだろうという信頼関係をもって、国民の代表として議員が総裁に従います。
今回の参院選では、自分で掲げた与党過半数という必達目標を達成できなかった。民主主義の根幹は選挙ですから、その選挙・民意によって「石破政権NO」といわれたにもかかわらず、そのトップである総裁が責任をとれないとなると、組織のガバナンスとしてもおかしいだろうと思います。
藤森祥平キャスター:
トップを変えたら本当に変わるんですか。
佐藤正久 前参院議員:
もう変えないと自民党に先はないと思います。
藤森祥平キャスター:
「どう変えるか」という議論がないままに言っているので、しっくりこず、有権者と大きなズレがあるのではないでしょうか。
佐藤正久 前参院議員:
総括というのがかなり大事で、今回「総括をして辞めます」と言えば、かなりみんなの方向性がグッと合うと思います。
自分の責任を取ると同時に、総括を合わせて行うべきですが、28日の石破総理の発言の中で、「どう総括するか」については何も言われなかった。なので皆さんから「今の総理の言葉だけでは選挙区に帰れない」という発言が出たというのが、特徴的だったと思います。

星浩さん:
両院議員総会の開催に向けて、協議は8月の上旬。遅くとも参議院の総括に合わせてその前後にはやる。それを受けて、森山幹事長が辞表を出しそうですが、それを石破さんが受け取るのか、慰留するのか。
それから自民党の人事、内閣改造、臨時国会と次々と山場がありますが、私は石破政権は長くても臨時国会までは持たないと思います。どこかで退陣をして、新しい体制を作らざるを得ないと思いますね。
藤森祥平キャスター
本当にトップが変わって自民党は生まれ変わることができるんですか。
佐藤正久 前参院議員:
やらないと自民党の明日はないですし、自民党がしっかりしなければ、日本の政治や外交にも大きな影響が出ますから、そこは党の責任としてやらざるを得ないと思います。
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<プロフィール>
佐藤正久 前参議院議員
自民党幹事長代理
今回の参院選で落選
自衛隊出身 愛称は「ヒゲの隊長」
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年
福島県出身