裁判を早く終わらせたかった理由
白石は記者との面会で、「早く裁判を終わらせたい」と頻りに話していた。それは、自らの家族に「迷惑を掛けたくない」という思いからだという。
「一番は、自分の家族に迷惑を掛けたくないからです。記者さんには、分からないかも知れないですけど、一番は自分の家族に迷惑を掛けないことが、ゴールなんです。それを達成するためには、大人しく罪を認めて、刑を受けることが一番の近道なんですよね。家族は一度も面会に来ていません。『家族に会いたいか』と聞かれたらそうだけど、でも、会わせる顔はありませんから」
そんな白石が「裁判で一番嫌なことだった」と明かしたのが、母親の調書が読まれたことだ。「虫も殺せない子どもだった」とする内容だった。
「弁護人には『裁判で出すな』と言っていたし、『証人でも呼ぶな』と言っていたのに。聞いていて、心が動揺をしてしまいました。最後の方で、『生きていて良いのか』という言葉がありましたよね。もう私のことを忘れて、前向きに生きて欲しいと思いました。母親のそんな言葉は聞きたくなかった。心情をみたくなかったし、聞きたくもなかった」