1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下された日、爆心地から3キロで被爆し、今も無数のガラス片の傷跡が残る一台のアップライトピアノがあります。この「被爆ピアノ」は、歴史の語り部として全国を巡り、その音色で平和の尊さを訴え続けてきました。そして7月23日、ピアノは富山県高岡市へ。市内のホールで開かれたコンサートでは、戦争を知らない世代である小中学生など60人以上が、鍵盤にそっと指を置き、それぞれの平和への祈りを込めたメロディーを紡ぎました。爆風と熱線を耐え抜いたピアノが奏でる一音一音が、会場に静かに響き渡りました。
23日、富山県内の小中学生など60人以上が出演した高岡市のピアノコンサート。演奏されたのは、平和への願いが込められた特別なピアノです。

矢川ピアノ工房 矢川光則さん
「北は北海道稚内から南は沖縄まで、このピアノはもう47都道府県すべて回っています」

広島市の調律師、矢川光則さんとともに全国を回っているのは、1945年(昭和20年)8月6日、広島市の爆心地からわずか3キロで被爆したアップライトピアノです。
