各野党「減税」主張も やり方はバラバラ どう実現?

井上キャスター:
主に給付を訴えていた自民と公明は、「1人2万円」などと、与党は足並みを揃えました。
基本的に、野党は減税で足並みを揃えています。それぞれ「消費税減税」という大筋では一致しているものの、細かく見るとやり方が全然違います。
【給付】
・自民(196議席)
1人2万円
子ども・住民税非課税世帯は+2万円
・公明(24議席)
1人2万円
子ども・住民税非課税世帯は+2万円
【減税】
・立憲(148議席)
食料品の消費税を原則1年間0%
・維新(38議席)
食料品の消費税を2年間0%
・国民(27議席)
実質賃金が持続的にプラスになるまで、消費税を一律5%
・れいわ(9議席)
消費税廃止
・共産(8議席)
消費税廃止めざし、5%に緊急減税
・参政(3議席)
消費税を段階的廃止
※議席数は衆議院のもの
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
自民党と公明党が主張していた給付を成立・実現させるためには、現在、衆議院は少数与党なので、どこかの野党と組まなければいけません。
衆議院では与党が220議席、野党は245議席と、過半数の233議席までは13議席足りません。
現実的には、立憲、維新、国民の三党と個別に協議をしなければいけないということになろうかと思います。これは前回の通常国会でも同じことが起きました。
立憲、維新、国民は、それぞれ主張が異なるので、どの党と協議するかにもよるし、各党がどういう主張をしてくるのかはわかりません。
立憲については、原則1年間の食料品の消費税0%を主張していますが、それだと時間がかかるということで、「食卓応援給付金」として国民1人2万円の給付も主張しています。
これは自民・公明の2万円と親和性があるように見えますが、立憲としては、つなぎの給付金を考えていて、行き着くところは食料品の消費税0%、さらには税額控除を訴えています。
消費税を維持しておきたい与党としては、立憲と組むことはなかなか難しいだろうと思います。
井上キャスター:
この給付金だけだったら、与党と足並みを揃えられるかもしれないというところが見えてくるわけですね。

TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
維新は、参院選を通じて「社会保険料の削減」を訴えてきました。
医療費を1年間4兆円を削減して、社会保険料を1人あたり6万円削減することを訴えていますが、莫大な金額です。維新がどういう主張をしてくるかによっては、なかなか難しいだろうと思います。
国民民主党は、前回の衆院選から一貫して「103万円の壁の引き上げ」を訴えてきています。
前回の通常国会では、国民民主党が主張する一律178万円までの上限引き上げには至りませんでした。引き続き、103万円の壁を178万円まで上げることを訴えてくるとみられています。
ただ、今回の参院選を通して「消費税の一律5%」をなかなか言わなくなってきています。どちらかというと、所得税の減税、103万円の壁を言ってきています。
場合によっては、消費税の一律5%という主張をせずに、103万円の壁を全面的に出してくるという可能性は出てきているのかなと思います。
玉木代表は、あくまで石破政権とは組めないと言っているので、見通しは暗いとみています。
出水麻衣キャスター:
「石破政権とは」というところに、ある種のヒントというか、メッセージがあるのでしょうか。
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
ガソリンの暫定税率の廃止だったり、103万円の壁は、自民・公明・国民の幹事長協議で合意したにも関わらず、前回の通常国会では合意に至らなかったことに、国民民主党としては不信感を抱いています。
仮に、石破政権から次の政権に交代したときには、協議の余地はあるというふうにみています。
肉乃小路ニクヨさん:
消費減税を求めているところで、緊急性がないという話をよく聞きますが、実現するとしたら、いつから始まるものなのでしょうか。
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
消費税の減税は、法改正が伴います。
年末の税制協議を経て、翌年の通常国会で法案を提出するという流れになり、最低でも1年はかかると言われています。