「自民党か非自民党か」だけではない 広がる投票の選択肢

高柳キャスター:
今回の参院選で注目されていた一つが、「1人区」です。比例代表から見ていきましょう。

【比例代表】
自民:12議(獲得議席数)、1271万847票(得票数)
国民:7議席(獲得議席数)、755万1815票(得票数)
参政:7議席(獲得議席数)、735万7533票(得票数)
立憲:7議席(獲得議席数)、734万3142票(得票数)
公明:4議席(獲得議席数)、515万9478票(得票数)
維新:4議席(獲得議席数)、434万3080票(得票数)
れいわ:3議席(獲得議席数)、383万9434票(得票数)
保守:2議席(獲得議席数)、295万3911票(得票数)
共産:2議席(獲得議席数)、283万4700票(得票数)
みらい:1議席(獲得議席数)、150万1162票(得票数)
社民:1議席(獲得議席数)、118万8804票(得票数)

今回の参議院選挙では、自民党が12議席に対し、得票数1200万票余りを獲得しました。そこに続いているのが、少し差はありますが、国民民主党(755万票)と参政党(735万票)です。そして、立憲民主党(734万票)が4番目にいる状態です。

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
これまでの傾向だと、自民党に対して逆風があるときには、野党第一党である立憲民主党に得票が集中するのがシンプルな発想です。ところが今回の結果は異なります。

国民民主党や参政党は、特に50代以下の若い世代を中心として、非常に支持を集めています。そのため、若い世代にとっては立憲民主党よりも国民民主党や参政党の方が魅力的な選択肢になったということです。

“自民党”か“非自民”かということだけではなく、“非自民”の選択肢の中にも、多様化といいますか、投票対象が広がった・分散をしたということが今回の比例代表の得票の結果です。

井上キャスター:
今回の結果は、“日本の選挙は組織が強い”と言われたところから脱却したと考えていいですか。

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
そうですね。国民民主党や参政党は、ネットを通じて、組織化されていない有権者に対してアピールができ、それを地盤にできたことで、議席数を伸ばしたと言えると思います。

==========
〈プロフィール〉
米重克洋さん
JX通信社 代表取締役
全国の報道機関にニュース速報や世論調査を提供
選挙分析も手がける

田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰