10代の女の子の4人に1人が望まぬ妊娠をし、年間40,000人が学校をやめざるを得ない――。大阪・関西万博でのシンポジウムで報告された、東アフリカ・タンザニアの現状です。
現地で生理用ナプキンを製造し、女性たちの貧困問題の解決に取り組む、菊池モアナさんによると、タンザニアでは人口の約45%の人が「貧困ライン」と呼ばれる1日280円以下で生活していて、8枚で約200円もする生理用ナプキンを買うことはできません。

代用品はスポンジや布などですが、1か月もの断水が起こる中、それらを洗うこともできず、また洗えたとしてもマットレスの下に隠して乾かすような不衛生な環境で、女性は頻繁に尿路感染症にかかっているといいます。
そこで、菊池さんは2021年に、生理用ナプキンの工場を設立。貧困からの脱却に向けた活動をしています。

「最初は生理用品を安く作ろうとしましたが、買えない人は結局安くても買えないのだと分かりました。そこで、逆に少し高くして富裕層に買ってもらい、貧しい女の子に無償提供する形をとっています。工場で雇っているのは、若年妊娠で中学を退学させられたシングルマザーたち。仕事を始めて、次第に彼女たちの目の中に光が宿るのを見るのがうれしいです。」(一般社団法人LUNA 代表 菊池モアナさん)