「生産量がわからない」調査方法はそれでいいのか

課題の中で特に深刻なのが「正確な生産量がわからない」という点です。国が長く行っている生産量を調べる調査では、全国8000カ所の水田を無作為に選び、1平方メートルあたり3カ所を手で稲を刈り取り、脱穀した米をふるいにかけるという方法が採られてきました。

しかし、この際に使われるふるいの目が「1.7mm」であるのに対し、実際の農家や業者が使うのは「1.8mm」や「1.9mm」が主流で、基準の違いは、算出値と実態とのズレを生む一因と指摘されています。

また、その年の米の出来を示す「作況指数」の公表も廃止する方針で、国も改善に乗り出してはいるものの、専門家は「実際に取れた量を正確に把握することが不可欠」と、その重要性を強調しています。

さらに、米は生産者から集荷業者、卸売業者、小売業者を経て消費者に届くという流通経路をたどります。複雑な構造の中でどの段階で供給が滞っているのかを把握することも困難になっているのです。