センバツ優勝の瞬間は「レフト」にいた奥村
センバツを振り返って、もう1つ気づいたことが、「センバツでは“優勝投手になりたい”という思いが先行してしまっていた。秋の公式戦では“チームの勝利”を考えて投げていて、結果的に優勝投手になっていたが、甲子園では“勝ち”より“優勝投手”が先に来てしまっていた。」と思いが強すぎるあまり、個人的な感情が前に出てしまっていたと反省する奥村投手。

「福田(東海大相模)、佐藤(健大高崎)、石垣(健大高崎)など、名前をあげればキリがないくらいたくさんの同級生が甲子園で活躍している姿を見て、その悔しさを忘れずに頑張ってきた。今年の夏は自分の番だと思っています」
ケガから復帰した横浜高校の大黒柱2人。“最後の夏”への思いは強い。

夏の高校野球 神奈川大会は、7月9日に開幕する。横浜の初戦は7月11日(金)、荏田×横浜氷取沢の勝者と戦う予定だ。泣いても笑っても最後の戦いを前に村田監督も感慨深げだ。
「まだ実感はわかないですけど、まだまだこの子たちと野球したい気持ち。本当に最後の瞬間はちょっとやばいかもしれないです(笑)」秋、春と試合を重ねるごとに強くなってきたチームへの思い入れは強い。
秋・春・夏の3冠を達成すれば、98年松坂世代の横浜高校以来・史上2回目の快挙。高校野球の歴史に名を刻む“熱い夏”が始まろうとしている。
(取材・文 MBSスポーツ部 徳永亮太)