トカラ列島の群発地震と新燃岳で続く噴火。地震と火山の専門家に、現状や今後について聞きました。
地震や火山が専門の鹿児島大学・井村隆介准教授です。きのう3日の震度6弱の揺れについて、これまでの群発地震と特別な違いはないと指摘します。
(鹿児島大学・地震・火山地質学 井村隆介准教授)「震度6弱と聞いたときは驚いた。M5.5で震度6弱が出たが、起こっている地震のマグニチュードとしては、2021年(M6.1)の7、8分の1。特別なことがおこっているわけではない」
島外避難した人、残った人ともに行政は支援が必要と話します。
(鹿児島大学・地震・火山地質学 井村隆介准教授)「私たちは研究者として、研究もしているがいつまでとは言えない。島外にいくのか、残るのかある意味で覚悟が必要、行政はその背中を押す、サポートする役割を持つことが大事」
そして、噴火が続く新燃岳。井村准教授は「マグマ噴火」への移行の可能性があるとしながら、現在の「水蒸気噴火」が続いてもさらに経済的な影響が広がることを心配しています。
(鹿児島大学・地震・火山地質学 井村隆介准教授)「(空の便の)一部欠航も出ているが経済的な影響が大きくなる可能性がある。(田んぼに)水を張っている時期だと思うが、そこに火山灰を含んだ水が流れると農業への被害も出てくる可能性が今のような噴火をしていてもある。今の状況をみると前倒しの対応をしておくほうが安全」
県内で、トカラ列島の群発地震と新燃岳の噴火が同じ時期に起こっていることについては。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)「トカラの地震と新燃岳の噴火はたまたま時期が一致しただけ、じゃあその間にある桜島、口永良部島、硫黄島は噴火していない、直接結びつけるのが強引」
「鹿児島には火山がたくさんある、日本には地震がたくさんあるという関連しかない。なのでやっぱり自分で情報をとって、考えて行動することが大事」