「鮮明化」の技術をチップに

「ロジック・アンド・デザイン」が現在開発を進めているのが、「鮮明化」の技術を搭載したチップだ。大きさが15ミリ角と小さく、小型化と省電力化、ローコスト化を実現するもので、撮影するカメラや情報カメラ自体に組み込むことによって、現在よりも高品質な画像処理が実現する。

暗い状況で撮影した評価試験の画像で見てみると、その技術の革新性がわかる。まず、元の画像を1ルクスの明るさの中で撮影する。一般的には満月の夜道の明るさが0.2ルクスといわれている。1ルクスだと、ほぼ真っ暗にしか映らない。

元の画像
1ルクスの明るさで撮影された画像

1ルクスで撮影された画像を、現在の「鮮明化」のソフトウェアで処理をすると、暗闇の中に物体が微かに見えるようになる。

「鮮明化」ソフトウェアで処理した画像

それが、開発中のチップを搭載したカメラを使って、1ルクスの明るさの中で撮影すると、かなり鮮明化ができて、ピントもあっていることがわかる。

1ルクスの明るさで、開発中のチップが搭載されたカメラで撮影

このチップが完成すれば、画像をより鮮明にすることができると坂井さんは期待を語る。

「監視カメラや情報カメラにこのチップが組み込まれると、圧縮して保存したファイルを鮮明化するよりも、さらに高度な鮮明化処理が可能になります。カメラやドライブレコーダー、ドローンなどにチップが搭載されることで、これまで以上に用途が広がるのではないでしょうか」

「ロジック・アンド・デザイン」の技術は、元々は放送局に向けて開発されたものではなかった。それが、新たな技術を加えていくことで、放送を変えていく存在になるかもしれない。ますます進化しつつある技術を、テレビ局も熱い視線で見ている。

(「調査情報デジタル」編集部)

【インタビュー協力】
坂井 康文(さかい・やすふみ)
株式会社ロジック・アンド・デザイン プロジェクト・マネジメント本部ビジネスデザイン部長
1968年 福岡県福岡市生まれ。
1991年 サントリー株式会社に入社。広報部Eコミュニケーショングループ課長や デジタルコミュニケーション開発部長を経て、2019年にサントリーマーケティング&コマース株式会社専務取締役に就任。
2024年9月にサントリーを退職、同年10月株式会社ロジック・アンド・デザインへ入社して現職。

【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。