画像の鮮明化やピンボケの解消といった、従来は医療分野などで使われてきた技術が、テレビ局など映像メディアの分野にも活用できることがわかってきた。技術開発をしている「ロジック・アンド・デザイン」の担当者に、最新の技術とその可能性について聞いた。
「鮮明化」と「復元高解像度化」技術の現在地
カメラで風景を撮影した「画像1」。下の部分は暗く、つぶれてしまっている。

この画像に処理を加えたのが、次の「画像2」だ。

空の明るさなどはそれほど変化していないが、一方で暗くつぶれていた部分にあった鉄塔や建物などがはっきり見えるようになっている。この処理を実現しているのが、「鮮明化」の技術だ。
次の「画像3」は、衛星から東京タワー周辺を撮影した写真。上空からの街並みが映っているが、ピントがぼけている。

これに処理を加えたのが次の「画像4」。建物などがはっきり見えるようになった。これは「復元高解像度化」の技術によるものだ。

こうした「鮮明化」と「復元高解像度化」は、生成AIによって新たな画像を作っているわけではない。その画像が元々持っているデータや信号を最大限利用して、見えなかったものを見えるようにする技術だ。