仙台うみの杜水族館は2015年7月1日東日本大震災の復興のシンボルとしてオープンしました。

三陸の海を再現した大水槽をはじめ日本の海や世界の個性的な生きものたちの展示を通じて海の魅力を伝えてきました。

イルカやアシカによるパフォーマンスも人気でこれまでに入館者は918万人を超えました。

来館者
「でっかい水槽が圧巻で好きです」
「小さいころに来たことはあったんですけど、しばらく来てなかったので。楽しかった」

この10年間新たな命の誕生もありました。

2018年にはオウサマペンギンの赤ちゃんが生まれその姿が話題になりました。

歩き方から「人が中に入ってるのでは?」、「キウイみたい」と一躍、人気者になりました。

公募で決まった名前は「けやき」でした。

その「けやき」の今の姿がこちらです。

すっかり、大人になりました。

水族館では宮城県内で見つかった珍しい生きものも展示してきました。

増子華子アナウンサー
「さきほど水槽に入れられたウニを一目見ようと、さっそく大勢の人が集まっています」

2018年8月には、小学生が親戚の漁師と海底にいる白いウニを発見し捕獲しました。

遺伝子の欠損で生まれつき完全に白い「アルビノ」でした。

2022年に誕生したオタリアの赤ちゃん=チャコ。

寺沢さんら飼育員は日々、水になれるためのトレーニングに追われました。

この日、バックヤードでのプールトレーニング。撮影スタッフも見守りました。

今では体重も42kgと生まれた時の4倍にまで成長しました。

寺沢さんにとってこの10年で最も大変だった出来事がこのチャコの誕生だったと話します。

寺沢真琴さん
「オタリアの繁殖が初めてでしたので情報を集めるところから、いろんなところからヒヤリングしたりリサーチしたりと手探りで始まりまして、そこで試行錯誤しながらやっていったというのがすごく大変だった」

普段、寺沢さんは海獣ふれあいチームの一員として10種類以上の生きものを担当しています。

展示室の清掃や給餌、それに採血など、仕事は様々です。

この日、遅めの昼食です。

寺沢さんについて後輩は
「特に今回、イロワケイルカの出産の計画とかに関しても、いろんなリスク想定だったりとか詳細なところとかも計画してくださっていて、チームを引っ張ってくれる存在で、頼れる先輩だなと思っています」


開業から10年を迎え希少なイロワケイルカの出産にも初めて成功した仙台うみの杜水族館は、これからも寺沢さんをはじめ30人を超える獣医と飼育員が海や海の生きものの魅力を伝えていきます。

寺沢真琴さん
「来ていただいたお客様であったり、地域の方々のおかげでたどり着けた10年だと思いますので、ここからも20年30年40年50年と、地域に根差しながらこの動物たちと一緒に感動を届けられたらいいなと思っています」