ずっと住める仮設住宅 「石川モデル」で暮らす被災者

山々に囲まれるのどかな下唐川地区ですが、この場所に2024年7月、原則2年間となっている仮設住宅の入居期間後も有償で住み続けることができる木造戸建ての仮設住宅、いわゆる「石川モデル」が県内で初めて完成しました。

自宅が大規模半壊の被害を受けた田畑さんもこの住宅に住んでいます。

以前は空き家も含めおよそ40軒の家があった下唐川地区では、30軒が公費解体され空き地が目立つようになりました。

この下唐川地区には石川モデルと従来型の仮設住宅で34人が今も生活しています。
多くの住民がこの地に残ることを選択しました。

その中の一人、加代等さんは仮設団地の自治会長も務めています。加代さんは、能登町の鵜川小学校で非常勤講師をしています。

加代等さん

下唐川仮設団地自治会長・加代等さん「子どもたちがよく寄ってきてくれるので毎日楽しんでいます。一番幸せな時間かもしれない」

およそ30年暮らしてきた加代さんの自宅は2024年8月に公費解体されました。

あれから9か月、加代さんの自宅の跡地には新たな平屋建ての家が建てられました。ゴールデンウィークには長男、長女一家が帰省し引っ越しを手伝うなど、地震の日に一緒にいた家族が揃いました。

長男・加代拓史さん「震災あってからの方が連絡するようになったよね。気にはなりますから」

長女・大倉祥子さん「発展するというよりは持続する。今の復興しながら能登の良さだったりを残していければいいな」

加代等さん「自分も本気で喜べないのは、家を建てて入る人、これから建てる人、どうしようかと悩んでいる人と格差が生まれてくるので、団地内でもそれぞれの思いが変わってくるから、そんなこと言ってても前進まないのでここに残って家建てるのも復興の一つかなと思うから」