2週間後。収益化に向けての取り組みも始まりました。ブランデーにつけて渋を抜いた柿でスイーツを作ります。力を貸してくれるのは農業生産・加工などを手がける山口市の秋川牧園です。この日作ったのはジャム。順調に進んでいるように見えましたが…。渋みは、柿の中にあるタンニンという物質が原因です。このタンニンをアルコールで固めると人間の舌では、渋を感じなくなる。これが「渋抜き」です。しかし、加熱すると固めたタンニンが元に戻ってしまう、「渋戻り」という現象が起きてしまいます。このピンチを救ってくれたのはさすがの「プロ」でした。

「『渋戻り』は乳製品など、別のたんぱく質と合わせることで解消できる」。
秋川牧園の担当者からのアイデアでヨーグルトや生クリームを合わせることにしました。試行錯誤の結果、できあがったのがこちら。


放置柿がヨーグルトパフェやシュークリームに生まれ変わりました。

食べた学生
「果肉がごろごろしてて、ちょっと渋いんですけど、ヨーグルトがうまいことカバーしてておいしいです」
「収穫のときから見ていた柿なので、思い入れがあるというか、ちゃんと自分の手で調理できて楽しくておいしいです」

柿特有の渋みをどうするか。今後の収益化へ、大きな課題が見つかりました。

その4日後。
山口市のある会社に斉藤教授の姿がありました。訪れたのは創業120年の乾燥機メーカー木原製作所です。売れるものを作るにはどうすればいいか。
商品開発の相談です。

木原製作所 木原利昌 専務取締役
「スティックとかスライスの輪切りのような状態で」

柿は種類によって加工の方法が異なるそうです。種類を特定することが難しい放置柿は乾燥させるのにも工夫が必要です。乾燥の時間が短く、食べやすいスティックやスライス状の試作品を作ってもらうことになりました。

木原専務
「量をどう処理していくのかとか、商品性があるものを作っていくっていうのはかなり蓄積された問題が恐らくあったんだろうと思うんですけど、チームを組んでやっていけるということであればですね、十分全国でも先進的な事例っていうのは作り出していけるんじゃないかと」

プロジェクトに心強い仲間が加わりました。