急成長を遂げる低価格ジム「chocoZAP(チョコザップ)」が導入し、話題を集めている「サポート会員制度」。これは、会員がジムの清掃などを手伝うことで月額料金の割引を受けられるという、まさにスポットワークの進化形ともいえる仕組みです。
このような「ついでワーク」というユニークなビジネスモデルが注目を集めています。その背景には、多くの企業が抱える人手不足の問題や、私たちの働き方に対する価値観の変化がありました。チョコザップの画期的な取り組みから、社会インフラを支える意外なサービスまで、「ついでワーク」の仕組みと可能性を、リサーチャーのcomugiさんが解説します。
<東京ビジネスハブ>
TBSラジオが制作する経済情報Podcast。注目すべきビジネストピックをナビゲーターの野村高文と、週替わりのプレゼンターが語り合います。今回は2025年6月1日の配信「chocoZAPが2000円割引!スポットワークの進化系「ついでワーク」ビジネスが今、熱い!(comugi)」を抜粋してお届けします。
急成長の裏にあった「無人店舗」の課題
野村高文:
ライザップグループが運営する低価格ジム「chocoZAP(チョコザップ)」が導入した「サポート会員認定制度」が話題ですが、一体どんなビジネスモデルなのでしょうか。
comugi:
まず、注目すべきはチョコザップの急成長です。2022年7月のローンチから3年弱で1,800店舗弱まで増えるという、すごい勢いで成長しました。この恐ろしい出店スピードを支えたのが、月額2,980円(税別)という手軽さです。会員数も2025年2月時点で133万人規模に達するという破竹の勢いです。
野村:
まさに、垂直立ち上げに成功した事例ですよね。
comugi:
しかし、問題もありました。チョコザップの売りは、CMでもおなじみの「着替え不要・普段着のまま運動できる」という点です。しかし、スポーツウェアと違って普段着は繊維クズが出やすく、それがランニングマシンのベルトなどに付着して故障の一因となる問題が多発したのです。
野村:
2,980円という価格を維持するためには無人店舗である必要があり、その結果メンテナンスが課題になったわけですね。
comugi:
おっしゃる通りです。当初、メンテナンスは系列のパーソナルジム「ライザップ」の店員がついでに掃除に行くモデルでしたが、店舗が急増しすぎて追いつかなくなりました。そこでチョコザップは2024年度を「品質向上イヤー」と位置づけ、200億円もの大規模な投資を行いました。