NATOがトランプ氏配慮の理由…抗議デモの中で

NATO首脳会議での、トランプ氏への過剰なまでの配慮。こうした弱腰ともとれる姿勢に、事務総長には、記者から厳しい質問が飛びます。

記者
「トランプ氏と話すときの、あなたの言葉はお世辞が目立ちます。ちょっと屈辱的だし、弱々しく見えますよ」

ルッテ事務総長
「いや、そうは思わないですね。ちょっとした好みの問題だと思います。彼は良き友人なんですよ」

実はトランプ大統領は、NATO加盟国に対し、防衛費の増額を要求。揺さぶりをかけ続けていました。年明けから求めているのは、 GDP比5%の防衛費に増額すること。

トランプ大統領(2025年1月)
「NATO加盟国は(GDPの)5%(の防衛費)が必要だ。2%では無理だよ」
「支払わないなら、我々は彼らを守らない」

今回のNATO会合でのトランプ氏への過剰な配慮の裏には、軍事同盟の“中心”であるアメリカが手を引かないように、という思惑があったのです。

しかし、NATOが要求された「GDP比5%の防衛費増額」は、国の財政に影響しかねない莫大なもの。

スペインでは、トランプ氏の要求に抗議デモが起こっていました。

デモの参加者
「お金は社会権を強化するために使われるべきだと、私たちは考えています。教育や健康、 住宅、介護のために、お金が必要なのです」

結局、NATOは加盟32か国が、2035年までに要求された防衛費の増額(GDP比5%)目標に合意。トランプ氏は…

トランプ大統領
「非常に歴史的な節目として、NATO同盟国は防衛費をGDPの5%に劇的に増やすことを約束した。誰も実現可能とは考えていなかったことだ。兵器がアメリカ製になることを願っている」

合意早々にイギリスは、アメリカから核を搭載可能な戦闘機F35Aを12機購入する計画を発表。

イギリス スターマー首相
「NATO加盟国は2035年までに、国防と安全保障への支出をGDPの5%に引き上げ、NATOをこれまで以上に強力で公平、戦力の高いものにする」