「上司・部下で横並び的な考え方を持っていた方が働きやすい環境に」

株式会社 QuizKnock CEO 伊沢 拓司さん:
先ほどのエリアマネジャーの総選挙は社長がおっしゃっていましたが、「上司が出世を決めない」という前提があると、映像を見る限り従業員の間の代表というか、学級員的な要素が強かったのかなと推察できるので、確かに選挙で選ぶというのは結構納得感がありました。

一般的な出世に関わるような上司だと、部下が見ていない仕事、部下に言えない仕事などが出てくるので、部下しか経験していない人からだけで評価していくのは難しいと思います。

最近、上司からだけで評価するのではなく、取引先や同僚などいろいろな人が評価する「360度評価」という人事制度が出てきています。しかし、社の体制全体を変えていかないと、評価にも統一性がないと形骸化してしまいます。評価のための振る舞いになってしまうこともあり、人事制度が変われば企業風土が変わるということは起こりづらく、企業風土にマッチした人事制度を用意してあげることが、どちらかというと正しい順序なのかなと思います。

小説家 真山仁さん:
注目はされるかもしれませんが、結果的には元に戻りがちかなと思います。
上司は大体、中間管理職ですよね。例えば先ほども上司に求めるものは「調整力」と言っていましたが、あなたが15年後に課長になって「調整力できる?」という質問をするとしましょう。課長も10年前は「駄目だよ、あいつ」と思っていたと思います。

一つだけ大事なのは、鍛えられたことが対外的な仕事をする中では大きかったこと。

ただ、みんな相当ストレスが溜まっているので、ミスはしてもいいし、挑戦もすればいいし、何でもかんでも下に媚びなくていいという環境を逆に作ってあげないと。部下がやりたい放題やって結果が出ず、売り上げが下がると人事制度以前の話になります。だからバランスはすごく大事だと思います。

小川キャスター:
ちなみに伊沢さんは会社の上司、束ねる立場ですが、どんなことを意識されていますか。

株式会社 QuizKnock CEO 伊沢 拓司さん:
人によって正しいやり方や、マッチするやり方が違う中で、終身雇用の時代ではなく、終身雇用という前提が崩れていることを考えると、上司・部下というのは、階級ではなくて役割の違いなんだなと。

それぞれ担当してる担務が違う立場だという前提で接していき、上司は部下を活かし、部下も上司を活かすという、横並び的な考え方を持っていた方が現代の社会においては働きやすい環境になっていき、成果も上がってくるのかなという感覚はあります。

========
<プロフィール>

真山 仁さん
小説家「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「ロスト7」

伊沢 拓司さん
株式会社 QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中