◆《定住には経済的な自立が…協力隊の伴走者》
ある晩、地元の居酒屋を訪ねた、藤原さんと、もう一人の協力隊のメンバー。ここでも“ひらめき”がありました。
居酒屋の女将
「はわさびのしょうゆ漬け、はいどうぞ!ずっと前から思っていました、島牧村に協力隊が来てくれてうれしいって。人口が3人増えたって!」
地域おこし協力隊(島牧村)藤原将智さん(36)
「ん~うまい!めっちゃうまい!」
協力隊(島牧村)木室康隆さん(59)
「これこそさ、道の駅で出したいよね」
地域おこし協力隊(島牧村)藤原将智さん(36)
「道の駅で出したい。道の駅で、夜の部の営業もしませんか?」
これも“地域おこし”のビジネスにならないか…。何気ない日常に“ひらめき”を探す毎日です。

島牧村に、初夏を告げる甘えび漁が始まった6月。道の駅『寄ってけ!島牧』の一角にできた、事業構想大学院大学のサテライトキャンパス。
地域おこし協力隊のメンバー3人が集まり、大学から指導教官を迎えて、対面で授業です。3人は宿題として課せられていた「空き家探し」の結果を報告します。
事業構想大学院大学の客員教授、若林伸一さん。沖縄や新潟の離島などで、新たな観光事業の基盤作りに関わり、地域の活性化を手掛けています。
事業構想大学院大学 若林伸一客員教授
「地域おこしの課題は、全国各地でいま、上手くいってないんです。起業するっていっても、カフェかゲストハウスで、2、3年経ったらいなくなるパターンで。私が毎月、来て“伴走する”というのが、今までの『地域おこし協力隊』にはなかったこと」

この日は、かつて島牧村の人気スポットだった温泉施設にも…。閉鎖されて、すでに20年が経っている施設です。村の職員がカギを開け、地域おこし協力隊の3人と若林さんは中へ進みます。

地域おこし協力隊の3人
「これは、いいですねー」「もったいないな…」「ロケーションはいいですね」
日本海が一望できます。毎月、こうして”指導役の伴走”を受けながら、経済的に自立できる、新たなビジネスの立ち上げを目指します。
事業構想大学院大学 若林伸一客員教授
「遊休施設が山ほどあるので…活用方法とか…まずは観光客1万人ですよ。1万人の観光客があれば、1億円が入るので。この地域には課題がたくさんあるので、これが裏返せば「可能性」になるので」
地域おこし協力隊(島牧村)藤原将智さん(36)
「島牧の方もよくしてくれる。その分、何か貢献したいという気持ちになる。なんとか、よくできないかなーと思う」

地域おこし協力隊の活動を始めて2カ月あまり。3年の任期を終えた後、島牧村に根をおろしてくれるかどうか。村の期待を背負いながら、3人の活動は続きます。