町の知名度アップへ!そのぎ×讃岐うどんで世界へPR

【平】東彼杵町では、この日本茶ブームを追い風に、そのぎ茶の認知度を上げようと海外を意識した新商品も開発しています。

そのぎ茶が練りこまれた幅2センチの太すぎるうどん。世界でここだけしかない「SONOGI茶NOODLE」「SONOGI茶NOODLE」は大阪・関西万博のプログラムで、SDGsの達成などを目指して市民が参加する「TEAMEXPO2025」をきっかけに誕生した商品です。

長崎県では唯一、このプログラムに参加している東彼杵町と、フードロス削減などを目指す香川県の製麺会社がタッグを組みました。

試食会に参加した人「ちゃんとお茶の味がして美味しい」「のど越しもいいですし、ちょっと大きいので子どもたちにはどうかなと思ってたんですけど、実際に食べてみると、とても食べやすい」「町としてもこういう名物、お茶の加工品を待っていたので、凄く(これからが)楽しみです」

商品名をアルファベット表記にして、さらに「NOODLE」と名付けたのにも理由があります。

東彼杵町総務課・小森竜樹地域プロジェクトマネージャー「東彼杵町って、残念ながらやっぱり漢字が読めない、書けないわけで、当然外国人からもやはり検索されいいわけですよ。あれをそのぎ茶うどんという出し方をすれば、おそらくみんなうどんでしか食べない。ヌードルといういろんな食べ方ができる食材として売り出すことによって、世界中いろんな人いますからその国々の食べ方に合わせてもらうことができたら、それが一番ハッピーかなと」

東彼杵町ではさらに万博のプロジェクトを利用して今年9月には万博のオランダ王国パビリオンで「そのぎ茶会」を開催する予定です。

東彼杵町総務課・小森竜樹地域プロジェクトマネージャー「東彼杵というちょっと西の果ての田舎町だからこそ、やっぱり他がやってないことをやらなきゃいけない。ニッチじゃ駄目なんですよね。多分スーパーニッチのビジネスモデルを作っていかないと人は来ないかなと。やっぱ東彼杵に行かないと食べれないもの東彼杵のやつを食べたいよねって思わせるようなPRの仕方であったり、そうしたものを作っていきたい」

個人旅行者獲得へ 長崎県内の他自治体の取り組みは

【住】長崎県内の他の自治体では個人旅行者を獲得するためにどんな取り組みがすすめられているのでしょうか。

【平】長崎県は、自治体の滞在型コンテンツの磨き上げを支援していて、地域独自の自然や文化を体験する「アドベンチャーツーリズム」のコンテンツをこれまで雲仙・平戸・対馬・五島列島で制作しています。

【住】豊かな自然という「強み」を磨いて、個人旅行者を増やそうという考えですね。

【平】その一方で、地域の「弱み」をカバーして観光客を呼び込もうという動きもあります。それが平戸市で6月から始まった「アルベルゴ・ディフーゾタウン」の取り組みです。

「アルベルゴ・ディフーゾ」とはイタリア発祥の取り組みで、地域に点在する空き家などを活用した「分散型ホテル」のことです。客室・受付・食事場所などが別の場所にあり、町を1つのホテルと見立てているんです。

国内の自治体が認定されるのは平戸市が初めてですので、平戸でしか味わえない滞在体験になるのではないかと思います。

【住】長崎県の課題をあげるとすれば何でしょうか。

【平】長崎県インバウンド推進課の小宮健志課長は「海外へのプロモーションの弱さ」を挙げています。そのため今年度はインターネット上で旅の予約ができるOTAサイトへの登録を長崎県内の宿泊施設や飲食店などに促したり、プロモーション用の特集記事を作成する予定だということです。

またその前提として、・多言語化・外国人観光客のニーズ分析・国際線の就航などをスピード感を持って行う必要があると話していました。

いまの旅行者は、全て行程が決まっているツアーではなく、一般的な観光地に加え、その土地でしか体験できないことを求めるようになっています。「体験」だけでなく「食」もこれに当てはまると思います。

観光で大切なのは「今だけ、ここだけ、あなただけ」だと言われています。

【住】「今だけ、ここだけ、あなただけ」ですか。

【平】「今だけ」は例えば「季節感」のあるもので、祭りやイベントだけでなく長崎の四季折々の自然そのものも十分に魅力があります。食であれば「旬」のものを提供するということかもしれません。

「ここだけ」は、まさに長崎でしか体験できないこと、味わえないものです。これについては、歴史・文化も含め、長崎は“宝庫”だと思います。

「あなただけ」は、変化し多様化している観光客のニーズにしっかり応えるということで、もちろん真心のこもった“おもてなし”も入ると考えられます。

こうした工夫により、観光客からみて希少性や特別感のある「質」を追求した商品・サービスが観光客を増やし、ひいては観光業者の売り上げや収益に結び付くと思います。

長崎県の各地で、旅行者のニーズを捉えた「今だけ、ここだけ、あなただけ」の地域の魅力を活かした観光商品が組成されることに期待したいと思います。