「概算金」システムが価格の高止まりを招く?
次の新米が出れば価格が下がるのではないかと思いきや、その可能性は低いようです。
その理由は「概算金」の高騰だと山下一仁氏は指摘します。概算金とは、秋の新米に対してJAなどの集荷業者が農家に事前に仮払いで渡す金額です。秋になって実際のコメ価格が決まってから調整が行われ、概算金より高ければ農家に追加で支払い、安ければ返金を求めます。
しかし、JAとしては返金を求めることで農家との関係が悪化することを避けたいため、今年の概算金をすでに支払っているということは、ある程度今年の価格が決まっていることを意味します。つまり、この秋どころか来年の秋まで値下がりしにくい構図が続いているのです。
小泉大臣はこの状況を打破するため、「海外からの緊急輸入を検討」という発言も。山下氏は「コメをじゃぶじゃぶにする」と言いながら備蓄米の残りは約10万tで、小泉大臣が切れるカードはもう輸入米しかないと指摘しています。