同時に関税交渉も…トランプ大統領は“心ここにあらず”

藤森祥平キャスター:
そんな中、同時進行で日米関税交渉、首脳会談が行われましたが、関税交渉は合意に至りませんでした。

官邸キャップ 中島哲平:
交渉がなかなか進まない理由の一つには、この中東情勢もあるようです。

ある政権幹部は「トランプ大統領は中東情勢が気になり、関税交渉どころではなかった」「“心ここにあらず”な様子だった」と話していました。

また、最も大きな理由となっているのは自動車関税です。日本としては自動車への25%の追加関税の見直しを求める姿勢を崩していません。

一方、トランプ大統領も貿易赤字の解消を最優先に考えていて、自動車への追加関税の撤廃には応じないという構えです。ここで一致点を見出せないというのが、交渉がまとまらない最も大きな理由となっているようです。

小川彩佳キャスター:
日本としては、どうにか関税交渉を進展させたかったようですが、トランプ大統領は中東情勢を睨み、気が気ではないという状況だったようです。

小説家 真山仁さん:
タイミングが悪かったのかもしれませんが、中東の石油の備蓄量を考えると、石油のある場所で、これ以上戦火が広がるのは困りますからね。

自動車関税は重要ですが、日本は石油の90%を中東から輸入しています。そこで起きていることを考えると、自動車関税よりも前に「早くこの戦争を止めて欲しい」と、本当はトランプ大統領に訴えなければならなかったように思います。

イランにいる日本人を避難させるというのは当たり前ですが、日本はアメリカと違い自国に石油がないので、もう少し危機感を鮮明に出さないといけない。(関税と中東情勢)順番がどちらが先かということをやってる段階は終わったように感じます。

藤森祥平キャスター:
より複雑になって、緊迫度も上がっている状況ですからね。

小説家 真山仁さん:
ガザの攻撃から「イランが出てきたら嫌だな」というのは、みんなが思っていたことだと思います。

イスラエルが攻撃していることを考えると、日本は情報と「先進国側でエネルギー大事にしよう」と、もっとアピールするべき場所だったように思います。