■「無症状だった人でも約3割に倦怠感などの後遺症が出た」

感染力の強いとされる「XE」系統の出現で「第7波」が現実味をおびる中、懸念されるのは「後遺症」患者の増加です。

「後遺症」患者の増加

コロナ後遺症で髪の毛が抜けた20代女性
「歩いている時も髪の毛が落ちてきているのがわかるくらい。さーっと地面にいっぱい髪の毛が落ちている感じ」

取材に応じた20代の女性はまだワクチン接種を受けていなかった2021年8月に新型コロナに感染。快復後の秋頃から後遺症と見られる「抜け毛」の症状が始まりました。症状は3か月ほど続き、日常生活にも支障が出たと話します。

コロナ後遺症で髪の毛が抜けた20代女性
「調理の仕事をしていて、髪の毛が入ったら異物混入で、絶対に入ってはいけない職場だったので、気を使って過ごしていた。街中を歩いていても、『あの人はげてる』って思われるのではと不安というか、嫌な気持ちでした」

東京・世田谷区が行った調査では、「新型コロナが無症状だった人でもおよそ3割に、倦怠感などの後遺症が出た」と言います。

後遺症外来がある都内のクリニックでは今、オミクロン株による後遺症の患者が急増しています。

■「軽く見てはいけない」

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「今年1月に発症して?」
後遺症を訴える女性(40代)
「はい」
ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「どんな症状ですか?」
後遺症を訴える女性(40代)
「倦怠感が続いて、頭がぼーっとする感じで、人に伝えたいことや考えていることを言葉に出来なかったりとか」
ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「言われたことを覚えていないとか?」
後遺症を訴える女性(40代)
「はい、あります」

2022年1月に新型コロナに感染した40代の女性。コロナ自体の症状は軽症でしたが、その後、倦怠感や脳にもやがかかったようになり思考力が低下する「ブレインフォグ」の症状が続いていると言います。

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「10代の方が2~3週間で寝たきり状態まで進んでいたりすることがあって、(オミクロンの後遺症も)決してバカに出来ない状態」

平畑医師は、比較的症状が“軽い”とされるオミクロン株でも重い後遺症が出ているとして警鐘を鳴らします。

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「(後遺症で)仕事に行けない、学校に行けないとか、そういう話になってしまって、本当に生活を一変させられている。たまにオミクロン株はインフルエンザと同じではないかというような言説もありますが、ちゃんと感染予防はしていかなければいけないし、軽く見てはいけないと思う」