アパートで始まった「3人の共同生活」

検察の冒頭陳述によると、山口被告と前田被告は、2019年頃に交際を開始。翌年2020年に事件現場となった仙台のアパートで一緒に暮らし始めている。2021年になると前田被告の両耳が聞こえなくなり、山口被告が風俗店で働き、その収入で生活するようになったという。

同じ年2021年の3月に前田被告は被害者の佐藤大貴さんと知り合う。佐藤さんが働く青葉区国分町の飲食店に通うことで親交を深めることになった。前田被告は、難聴を患う自分に優しく接してくれる佐藤さんを良く思い、佐藤さんからも「アニキ」と呼ばれるなど慕われていた。

2022年7月頃になると前田被告は、山口被告と同居する自宅アパートに佐藤さんを頻繁に連れ込むようになり、3人での生活が始まる。しかし、山口被告は前田被告と2人で過ごす時間が減ったと次第に佐藤さんを疎ましく思うようになった。