2022年、仙台市内の自宅アパートで、交際相手の男と共謀して知人男性を殺害した上、遺体を切断して埋めるなど5つの罪に問われている女の裁判員裁判が6月11日、仙台地方裁判所で始まった。事件からおよそ2年半、改めて浮き彫りとなったのは、犯行の異様さと不可解な人間関係だ。初公判をリポートする。

11日午前10時、仙台地方裁判所で開かれた初公判。開廷すると間もなく山口優被告(33)が刑務官に付き添われ姿を現した。裁判は、事前に傍聴券が配られており、傍聴席はほぼ埋まっていた。

法廷に現れた山口被告は、上下ピンクの長袖、長ズボン。逮捕当時、長く伸び明るく染まっていた髪は黒髪に戻り、肩の辺りまで短くなっていた。満席の傍聴席を見やることもなく、被告人席に座るとただ前を見つめている。感情を押し殺しているようにも見える。今回の異様な事件が発覚したのは、2年半前だった。