「何がつらいって言ったって、食べ物だろうね…」

「パン1切れとね、それから、底の方に穀物が沈んでいるような水みたいな“カーシャ(粥)”。そんな程度だね」

栄養失調になった捕虜は、劣悪な衛生環境の中で感染症にかかり衰弱。
抑留が始まった最初の冬に、最も多くの人が亡くなっています。

「朝起きたら、隣に居るのが冷たくなってるっていう、そういう現実があった」

飢えに、寒さに、重労働…
その過酷な状況下で、村山さんの脳裏に焼きついた出来事が起こりました。

「衛生兵2人がね、自分たちが逃げるためにもう1人をだまして連れて行って、その兵隊を殺して、その肉を食料にする…」
「最初から計画的に誘って逃亡した。そういう事件があった」