「犯人はシステムや弱点を熟知している」

 三上さんは犯人グループがこの銀行のシステムをあえて狙ったのではないかと指摘します。

 (ITジャーナリスト 三上洋さん)「今回の場合は、明らかに都市銀行の特定の企業向けの『ネットバンキングのシステム』『システムのやり方』『電子証明書の発行の仕方』『サイトのデザイン』、全て犯罪グループ側が熟知している。犯人自身が操作して実際に弱点がどこにあるかみたいなことまで熟知していないとできないものです」

 警察の捜査の進展もなく、銀行からの補償もない現状にAさんは…

 (Aさん)「やるせないというか、1日にしてそれだけの大金を失ったことになるので、本当に重いことだと思います。もう少し(送金の)制限とかシステムとしてできたのではないかなと思います」

ITジャーナリストの三上さんは、「多要素認証など対策をしている銀行の不備とは言えない」としつつも、80億円超と被害が拡大するネットバンキング不正送金については、「実際に被害が出ている以上、何らかの制限をした方がいい」とも指摘しています。

 振り込む前に、『事実確認をしっかりして、一人で判断しない』、ということも大事なことかもしれません。