7000万円が奪われた手口

 今回の詐欺の手口について専門家はこう話します。

 (ITジャーナリスト 三上洋さん)「偽サイトの窓の一部、ID・パスワード等を入れるところだけは本物に誘導するやり方です。本物のサイトに犯人のパソコンから(Aさんが)入力しているんです」
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 つまりこういうことです。届いたメールにあったURLをクリックしてアクセスしたのは銀行にそっくりの偽サイトで、Aさんが入力したIDやパスワードなどの情報がそのまま犯人側のパソコンに入力される仕組みになっていたのです。その情報を使って犯人グループは電子証明書を再発行し口座を操作する権限を自分たちのパソコンに移し7000万円を引き出したのです。

 (Aさん)「銀行側の説明としては『他社(の企業)でも同じように同じ送金先に振り込まれている』『同じように被害にあった企業が数件ある』ということでした。」

 電子証明書を再発行などした場合、翌日からしか送金できない銀行もあるのですが、今回被害にあった銀行は利便性のため、すぐに送金できるシステムでした。